2024-11-28

早期離職につながる3つの原因と面接時の対策

いつもお世話になっております。
ICONIC人材紹介部門です。

今月も人事に関するお役立ち情報を本メールマガジンにて発信してまいります。

今回のテーマは「早期離職」です。

「時間とコストをかけて採用したのに、半年もしないうちに辞めてしまう......。」
早期離職はどの企業にとっても、大きなダメージとなります。

今回は、そうしたベトナム人従業員の方の早期離職を防ぐため、以下の3つの原因と面接時の対策をご紹介いたします。ぜひ最後までご覧ください。

①選考時に候補者に伝える職務内容が曖昧

②家族の反対

③通勤の手段や時間の変化
  


①選考時に候補者に伝える職務内容が曖昧



ベトナムでは、日本と比べて職務範囲の線引きが厳密です。実際、多くの人が一つの領域におけるスペシャリストとしてのキャリア形成を好みます。また、法律上も労働契約書に記載してある職務内容の範囲で仕事を任せることを求められます。そのため、選考時点での職務内容の曖昧さは早期離職の原因になりえます。

例えば、呼称は営業とあっても、実際の役割は営業サポートに近いケースなどが挙げられます。企業側からの職務内容の説明が不十分であることや、求職者の履歴書から推測したタスクよりも実際の担当範囲が限定的であることなどが影響します。

<面接時の対策>
・任せたい職務内容について、具体的にタスクベースで説明する。
・説明した職務内容について、経験の有無や認識の齟齬がないか細かく確認する。
 


②家族の反対



ベトナムでは家族が最優先されるため、家族の反対が早期離職に繋がるケースも少なくありません。転職・入社を決める際に家族と十分な話し合いがなされておらず、入社後に家族の不満が募り退職せざるを得なくなることがあります。

例えば、前職よりも休暇の取得が難しくなる、あるいは残業時間が増えたことで子どもの学校行事への参加や送迎が難しくなる、といったライフスタイルの変化が反対されてしまう原因になります。

<面接時の対策>
・転職について家族と話しているのか、家族は転職に賛成しているのかを確認する。
・給与や待遇等の条件面のオファーだけでなく、実際の働き方(有給休暇の取得状況や想定される残業の有無など)も含めて、具体的に説明する。
・家族に向けた福利厚生(例:民間医療保険の対象範囲、社員旅行への家族参加権など)がある場合は、家族の反対を回避するアピールポイントになるため、オファー時点で忘れずに伝える。

 


③通勤の手段や時間の変化



前職ではバイクで15分の通勤だったものが、転職先ではバスで50分かかるなど、これまでの通勤手段と大きく変わることも、早期離職の原因になります。入社前に気づきそうなものですが、意外と起こりがちです。連日の長距離移動で疲労が溜まったり、通勤時間だけ異様な渋滞が発生したりなど、面接時では想定されなかったことが発生することが理由です。家族との時間や自身の健康を大切にする文化であり、通勤時間の長さや通勤過程の過酷さを理由に会社を辞めることは、当地ではごく自然な考え方です。

<面接時の対策>
・面接では、これまでの通勤の手段と時間を確認する。
・地図上では前職と同程度の距離にあっても、通勤時間帯の渋滞が多く、倍以上の時間がかかるケースもあるため、実際の通勤時間帯にどの程度時間がかかるかを再チェックした上で、通えそうかどうかを候補者と共に検討・確認する。

 

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ICONIC 組織人事コンサルティング部。愛媛県出身。大学院在学中、農村地域におけるベトナム人技能実習生のネットワークについて研究。2016年より1年間のベトナム留学やインターンシップを経験。その後、2018年にICONIC入社。在越企業に向けた労務相談や就業規則・社内規則作成などの労務コンサルティングを始め、新規進出企業のライセンス申請サポート、給与調査などに携わる。

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