今回のテーマは「求人票の作り方」です。
「求人を出しているのになかなか応募が集まらない……。」
「せっかく採用したのにすぐに辞めてしまった……。」
こんなことが頻繁に起こっていませんか?
実はそれ、Job Description(求人票)を改善することで一挙に解決するかもしれません。そこで今回は、求職者の目に留まりやすく、採用のミスマッチが起きにくい求人票の書き方を、以下の3つのポイントに絞ってご紹介いたします。
①募集背景と仕事環境を明確にする
②仕事内容の記載は日常タスクと将来タスクを切り分ける
③組織構造や配属先部署の従業員数などを詳しく記載する
①募集背景と仕事環境を明確にする
日本国内の日本人向け求人では、募集背景を書かない/曖昧にしているケースが多いと思います。一方、ベトナムで求人を出す場合は、募集背景を明確に伝えたほうがいいでしょう。
理由は主に2つあります。
ひとつめは、情報が圧倒的に少ないからです。ベトナムに進出している企業のベトナム向けホームページの多くは、事業内容や会社概要など最低限の情報しか載せていません。求職者が自身で調べられる情報が少ないため、Job description(求人票)で補完する必要があるというわけです。
もうひとつは、10名以下など組織規模が小さい会社が多いことです。たとえば、教えてくれる人がいない状態でジュニアクラスのメンバーが入ってきても、パフォーマンスを発揮してもらえません。こうしたミスマッチが起こらないよう、増員なのか欠員補充なのか、それとも新しい部署の立ち上げなのかを明記することで、どんな環境で仕事をするのかをイメージしやすくします。
【記載例】
・事業拡大による増員募集となります。お任せする仕事については、先輩が丁寧に教えます。
・これまで製造のみ行っていましたが、営業部署を新たに新設することになったため営業1人目の社員を新規募集します。
②仕事内容の記載は日常タスクと将来タスクを切り分ける
日本人をターゲットとした日本国内の求人では、将来的に携わる可能性のある業務を含めて「仕事内容」として伝えているケースが多く、求職者もこうした求人内容に魅力を感じる傾向が強いです。
では、ベトナムではどうでしょうか。ベトナム人は仕事が給与に見合っているかを重視します。そのため、入社後すぐに任せる仕事(日常タスク)と1年後など将来的に任せる仕事(将来タスク)を一緒に書いてしまうと「割に合わない」と判断されてしまう可能性があります。
また、ベトナムで仕事を探している日本人に関しては即戦力が求められる傾向にあり、経験のない仕事内容が書かれていると「パフォーマンスを発揮できないかも」と感じ、諦めてしまう場合もあります。
日常タスクと将来タスクをしっかりと分けて記載することで、こうした事態を避けましょう。
【記載例】
■日常タスク
- 給与計算
- 個人所得税の申告
- 個人所得税、社会保険、組合費の支払い
- 社会保険の手続き
■将来タスク
- 財務報告および税務
- コスト、収益、負債の管理
- 資産管理
- 経営陣への助言
③組織構造や配属先部署の従業員数などを詳しく記載する
会社全体と配属先部署の従業員数は、記載しておいたほうがいいです。募集背景と同じ理由にはなりますが、「配属先が経理1名で経理の欠員募集」であれば担当は自分1人だ、というように、どんな環境で働くのかのイメージがしやすくなるからです。
働く環境でいうと、配属先部署の人員構成や直属の上司が誰かなどもあらかじめ伝えるとミスマッチを防げます。特に、新規進出企業や少数精鋭企業の経営陣直下で働きたいと希望する方も一定数います。そのため、直属の上司が組織図上のどのポストにあたるのかという情報は、あらかじめ伝えておいた方がよいでしょう。
【記載例】
・社員数20名、配属先の部署の人員数1名、直属の上司は社長となります。
・社員数300名、配属先の部署の人員数4名(課長1名、リーダー1名、スタッフ2名)、直属の上司は営業課長です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
Job description(求人票)で正しい情報をなるべく多く伝えることが、採用成功の近道です。しかし、ベトナムと日本では価値観や市場が違いますし、ベトナム人と日本人のどちらを採用したいのかや組織の状況によっても、効果的な書き方はケースバイケースで変わります。
ICONICでは、15年以上に渡って培ってきた人材や市場に関する知見をもとに、採用活動をサポートしています。ぜひお気軽にご相談ください。
次回は「求人票の作り方」に関する内容をお届けする予定です。
弊社では採用から組織づくりまで、ワンストップでサポートしております。
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