2024-10-31

なぜ業績評価に納得感がないのか?よくある要因と対策

いつもお世話になっております。
ICONIC組織人事コンサルティング部門です。

人材採用から組織づくりまで、企業様の事業成長を支援するため、今月より人事に関するお役立ち情報を発信してまいります。

初回のテーマは「人事評価」です。

今年も人事評価の季節がやってきましたが、皆さんの社内では従業員が納得できる公正な評価が行われているでしょうか?

もし公正な評価ができていない場合、以下の3つのデメリットが企業に発生します。


1. 従業員のモチベーションが下がり、業務の生産性が落ちる。

2. 優秀な人材が離職し、企業にとって重要な経験値やスキルなどを失う。

3. 従業員が自分の強みや弱みを正確に把握できず、成長機会を逃す


完全に公正な評価の実現は難しいですが、適切な対策をしなければ、短期的な業績だけでなく、長期的な事業成長にも悪影響を与えます。

今回は、特にベトナム人従業員の納得感に大きく影響する「業績評価(仕事の成果に対する評価)」に焦点を当て、納得感が欠ける4つのよくある要因とその対策についてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
  


よくある要因①  評価基準がない/曖昧



評価基準がない、もしくは曖昧な場合、評価者の主観が評価に大きく影響してしまいます。これが、業績評価に納得感が得られない最もよくある要因です。

評価基準がない場合:
例えば、1点から5点までの点数をつけるものの、各点数の具体的な基準が定義されていない。

評価基準が曖昧な場合:
例えば、「5点=Excellent」「4点=Good」などの定義はあるものの、達成度に対する明確な基準がなく、同じ80%達成でも評価者によって4点と評価する人もいれば3点と評価する人もいる。

<効果的な対策>
人事制度において、定量的な基準を設定することが重要です。例えば、「目標数値に対して●%達成以上で●点」といった基準を設けること、また期初の目標設定時に採点基準(少なくとも最高点と標準点と最低点の基準値)を明確にし、従業員と共有することが有効です。
 


よくある要因② 評価項目や配点が不適切



先に挙げた評価基準の問題以前に、評価項目や各評価項目への配点が不適切だと、評価が従業員の役割や期待とずれてしまいます。

評価項目が不適切な例:
管理職に組織全体の成果を期待しているにもかかわらず、個人の成果に対してのみ評価を行っている。

配点が不適切な例:
管理職の業績評価への配点が低すぎる場合や、全社員が同じ評価シートで評価されるために、役割に応じた配点のバランスが取れていない。

<効果的な対策>
管理職や現場の従業員、それぞれの役割に応じた評価項目と配点のバランスを見直すことが必要です。人事制度の再設計を行い、適切な基準と配点を設定しましょう。
 


よくある要因③ 根拠データが不正確



評価項目や基準が適切でも、定量評価の根拠となるデータが不正確なため、評価結果に納得感が得られないというケースもあります。

例えば、製品の不良率を下げる目標を立てた結果、実際には不良報告が適切に行われず、データが不正確なために評価が歪められるケースがあります。

<効果的な対策>
こうした問題を防ぐには、データの改ざんができないシステムの導入やダブルチェック体制の見直しが根本的な対策となります。しかし、こうした体制が整うまでは、不正確なデータに基づく定量評価を避け、むしろ上司の観察による定性評価を重視する方が納得感を得やすいこともあります。
 


よくある要因④ 伝え方や人間関係に問題がある



どんなに客観的な人事評価をしていても、「評価の伝え方」や「上司と部下の関係」に問題があると、部下が納得しないことがあります。

評価の伝え方に問題がある例:
評価結果だけを伝え、その結果に至った背景や、今後どのように改善できるかといった未来志向の具体的なアドバイスがなく、部下のモチベーションが下がってしまう。

上司と部下の関係に問題がある例:
日頃からの上司と部下の関係が悪く、「Aさん(上司)は信用できない、だからAさんの言うことは聞かない」と部下が上司の評価を受け入れない状況。

<効果的な対策>
評価の伝え方
を改善するためには、ポジティブなフィードバックに徹し、「〇〇は素晴らしい。今後、▲▲を強化すると更に活躍の幅が広がる」というアプローチをすると、部下は受け入れやすくなります。評価者研修を実施し、フィードバックスキルを強化することも効果的です。

一方、上司と部下の関係については客観的にわかりにくいこともあるため、定期的な面談や組織サーベイなどを通じて潜在的な問題を把握し、改善策を検討することが有効です。

 


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愛知県出身。新卒で日系の化学メーカーにて人事(採用・研修、制度、労務管理)を経験。 その後、2022年ICONIC(組織人事コンサルティング部門)入社。人事制度から人材育成など、様々な組織開発案件に携わる。

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