日系企業のベトナム進出は、1990年代半ばの第一次進出ブームから数えるとすでに30年が経過しており、事業や組織が安定してきている企業も年々増えています。
こうした企業が次に目指すのが、現地スタッフを主体とした事業運営、いわゆるローカライズです。
ですが、2025年現在も日本人による組織マネジメント体制からの脱却がうまくできず、ローカライズに苦戦している日系企業は少なくありません。
そこで今回は、ローカライズを進めるのに今が最適である理由と、ローカライズの要となる高度なスキルを持つベトナム人材の採用を成功させるポイントをご紹介したいと思います。
ローカライズを進めるのに、今が最適な理由
結論からお伝えすると、現在の転職市場はローカライズを進めたい日系企業の求人ニーズと、祖国で働きたい日本在住ベトナム人のUターン転職ニーズがマッチしているからです。
それによりローカライズの推進に必要不可欠な「日本での就業経験あるベトナム人材」を採用しやすくなっています。
なお、日系企業側とベトナム人Uターン転職希望者のそれぞれのニーズが高まっている背景は、以下となります。
1. ベトナムに進出している日系企業の変化
在ベトナム日系企業がローカライズを進める背景には、主に2つの観点があります。
1つは、コスト削減や人材不足などで日本人駐在員の確保が難しくなってきていることから、これまで日本人駐在員が担ってきた役割をベトナム人に任せていきたいと考える日系企業が増えていること。
もう1つは、今後も堅調な市場成長が期待されるベトナム国内マーケットへの販路拡大を目指す企業が増えたことで、エンドユーザーの理解が深い営業やマーケティング職のベトナム人材に要職ポストを任せていく流れが大きくなっていることです。
2. 日本で働くベトナム人の変化
昨今の円安やベトナムの景気回復、賃金上昇により、ベトナム人が日本で働く経済的なメリットは、年々、少なくなってきています。
こうした状況に加えて、家族を大切にするという国民性が相まって、祖国に戻って働きたいと希望するベトナム人のUターン転職希望者が、特に直近2〜3年の間に急増しています。
高度なスキルを持つベトナム人材の採用を成功させるポイント
上述のとおり、多くの日系企業が要職ポストを任せられるベトナム人材を求めています。
その場合の人材要件は、N1レベルの日本語が話せて、日本の四年制大学を卒業し、日本国内にある日本企業での就業経験があるという、かなりハイスペックなもの。
当然、こうした人材は限られているため、採用活動にもテクニックが必要になります。
ここでは外してはならないハイスペック人材の採用活動のポイントを4つご紹介いたします。
1. 常に求人を出しておく
ハイスペックなベトナム人材は多くありません。そのため、豊富な候補者の中から最適な人材を選んで採用する、という採用スタイルは適していません。いい人材が出てきたらすぐに受け入れる体制を整えた上で、ローカライズの方針が定まり次第、人材エージェントに求人依頼を出してしまうのが得策です。
採用まで最低でも半年〜1年はかかるケースが多いので、早めの依頼が奏功するでしょう。
2. 求人票にアピールポイントをすべて盛り込む
ハイスペックなベトナム人材の目に留まりやすいようにするためにも、他社と比較して魅力やメリットになる要素を求人票で伝えることが必要不可欠です。
具体的には、
- 日本語を活かせる環境であること
- 将来的に任せたい仕事
- 成果がどのように評価されるのか
- 難易度の高い仕事を任せるときのサポート体制の充実
といった内容が、魅力やメリットと捉えられやすいです。
3. スピーディーに選考を進める
選考期間が長くかかりすぎると、他社のオファーを受けてしまう可能性があります。
そのため、選考開始から1ヶ月を目安に大方の結論を出す程度のスピード感で選考を進めるとよいでしょう。
特に、オファー前に日本本社の稟議が必要な場合などは、事前にオファー予定の想定年収レンジを本社に伝えておき、予算面の話を通しておくと、スムーズに進みます。
また、柔軟な面接時間の対応も求められます。
たとえば、日本にいるベトナム人材の場合、平日の日中は時間の融通が聞かないことが多いため、休日や夜間に面接対応ができるような体制を整えておくことをおすすめします。
4. 入社後のミスマッチや認識ギャップを防ぐ
せっかく入社してもらっても、入社後のミスマッチや認識ギャップで早期離職につながってしまっては、元も子もありません。そのため、必要なスキルや経験だけでなく、自社の組織風土にフィットする人柄かどうかなども、慎重に見極めるようにしましょう。要職ポストを任せるからこそ、こうした人柄面のカルチャーフィットが重要になってくるのです。
そのためにも、面接では、日本人上司だけでなく、近しく働くことになるベトナム人同僚などにも同席してもらい、カルチャーフィットを見極めるとよいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
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