新規設立した現地法人が素早く事業拡大していくカギは、現地スタッフの採用成功にかかっているといっても過言ではありません。
しかし実際のベトナム採用市場では、言語や実務経験の壁に直面し「思うように採用できない」という声をよく耳にします。
そこで今回は、ICONICの人材紹介サービスを通じて、人材採用に成功した企業A社の事例をご紹介いたします。
ベトナムでの事業拡大に向け、現地でCADオペレーターの採用を目指す
A社は、ベトナムで電気設備の設計に特化した事業をしており、現地法人の設立前からご相談をいただいていました。
電気設備の設計には、CAD設計（図面作成のためのソフトウェア）のスキルが必要不可欠です。
ですが設立したばかりのベトナムの現地法人には研修体制がまだ整っていないため、CADの業務経験を持つ即戦力人材が必要。
また、今後の素早い事業拡大に向け、できるだけ早期に10名以上を採用したいというご意向もありました。
ボトルネックは「技術×専門知識×言語」を合わせ持った人材が少ないこと
当初、A社が求めていたのは下記3つの条件を満たす人材でした。
①CADオペレーターとしての業務経験がある
②電気設備の専門知識がある
③日本法人の担当者（日本人）と日本語でスムーズにコミュニケーションができる
（資格は必須ではないが、日本語能力試験でいうとN2レベル以上）
経済成長中のベトナムでは建築系の学科や職業が人気で、CADのスキルを持った人は数多くいます。
一方、直近の転職市場では、土木・建築分野に比べて電気設備の専門知識を持っている人は少なく、”電気設備分野のCAD経験者採用”については、どの企業も苦戦しています。
また、電気設備の知識に加えてCADを使える理系人材は、日本語を話せる人が希少で、今回のケースにおいても採用活動の難航が予想できました。
採用成功の秘訣は「要件の見直し」と「お客さまとの徹底した連携」
まずは、人材獲得が難航する背景を、リアルな市況を踏まえて正直に伝えました。
その上で、現実的な採用戦略をお客さまと一緒に考えました。
最初に提案したのは、Job Description（求人票）に記載する給与レンジの見直し。
給与水準の選択肢を広げることにより紹介数を増やすことが狙いでしたが、日本本社で給与テーブルが決まっており、実現しませんでした。
次に検討したのが、必須要件の調整です。
前述のとおり、電気設備の専門知識を持ったCADオペレーターが少ない一方、建築分野のCADオペレーターであれば母集団が形成できます。
そこでお客さまと相談し、電気設備の専門知識を必須要件から外すことにしました。
同時に、求職者を担当するキャリアアドバイザーにも相談をして、CADオペレーターが多く集まる媒体でのアプローチを強化しました。
その結果、十数名の候補者をご紹介することができ、結果的に1年で10名以上のCADオペレーターの採用成功につながりました。
まとめ
海外での人材採用は、自社の条件を押し通すだけでは実現が難しいこともあります。そのため自社の事業やポジションに加え、現地の採用マーケットを正しく理解し、状況に応じて柔軟に戦略を調整していくことが不可欠です。
ICONICでは、幅広い業界とグローバルな知見を持った経験豊富なアドバイザーが貴社のニーズや状況に合わせたご提案と採用活動をサポートさせていただきます。
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