▼関連記事はこちら
トータル人材開発考【第1回】人材開発施策を考え始める前に、すべきこと。
トータル人材開発考【第3回】人材開発施策をトータルで考えるための4ステップ
「現地化を進めたいが幹部人材が十分に育っていない。どうしたらいいものか。」
このようなお悩みをお寄せ頂くことが多いです。
今回は、前回からスタートした連載「トータル人材開発考」の第2回目として、「人は何から学ぶのか」という視点から、効果的な人材開発施策を考える視点についてまとめてまいります。
研修からの学びは全体のわずか10%
米国ロミンガー社の調査によると、「人の学びの70%は直接経験(本人の経験)から、残りの30%を間接経験、具体的には、20%が周囲からのフィードバック、10%が研修や読書によってえられる」と報告されています。つまり、人が育つ会社では、この人を育てるために、どんな研修を受けさせようか、ということだけでなく、どんな職業経験をさせようか、どんなアドバイスをしたらよいだろうか、と全方位に渡りバランスよく施策が練られ実施されていることが多いのです。
「研修を受けさせているのに、全然人が育たない」「社員のレベルが低い。どんな研修をうけさせたらいいですか?」というお声を聞く時は、概して、本人の職業経験のデザインや周囲からのフィードバックが手薄なことが多いのです。
このことをベースに人材開発を考えると、割とすっきりと「人を育てる」とは何を検討しなければならないのかが腑に落ちます。
3つの要素をトータルデザインする
人材開発とは、「本人の経験」「周囲からの助言」「(本人に気づきを与える)研修」を三位一体でトータルにデザインしていくことに他なりません。ともすると「人材開発」というと研修体系の構築や研修の実施をイメージしてしまう方も多いですが、「研修=人材開発」ではありません。
前回のコラムでも記したように、人材開発の目的は、「会社が期待する役割を担える人材とすること」であり、そのための手段として「経験」「助言」「研修」をトータルでデザインすることが人材開発担当者に求められる基本的な役割であり、具体的な施策を検討する際に欠かせない視点となります。
次回は、「人は何から学ぶのか」の視点を踏まえ、効果的な人材開発施策をトータルで考えるための4ステップをトータル人材開発体系としてまとめてまいります。