2019-01-29

トータル人材開発考【第3回】人材開発施策をトータルで考えるための4ステップ

「現地化を進めたいが幹部人材が十分に育っていない。どうしたらいいものか。」
このようなお悩みをお寄せ頂くことが多いです。

今回は、連載「トータル人材開発考」の第3回目として、前回に続き「人は何から学ぶのか」という視点を踏まえた上で、効果的な人材開発施策をトータルで考えるための4ステップについてまとめてまいります。

 

行動変容への働きかけを意識する


人材開発とは、行動変容の積み重ねの結果です。その前提に立つと、育てたい社員に行動変容が起こるような仕掛けを考えるのが人材開発担当者の役割であるといえます。行動変容のお膳立てのためのステップ①~②と、行動変容への直接的な刺激を与えるステップ③~④からなる以下の4ステップは、広い視野で人材開発施策をトータルデザインする際の枠組みとして有用です。

 

ステップ①「気づく」


冷静な目線で本人が自己認識を新たにし、何を変えなければならないのかをメタ認知することで、成長への気づきを与える仕組みをデザインします。評価フィードバック面談、キャリア開発面談、ヒューマンアセスメント、360度評価などは、ステップ①に該当する代表的な施策です。

 

ステップ②「やろうと思う」


どんなに気付きがあったとしても、「でも、自分はそういう人だから・・・」で終わっていては、行動に変化は生まれません。本人が自ら変わりたいと思えるような成長を動機づける仕組みをデザインします。キャリアパスの提示、トータルリワードの提示、ペナルティの提示、本人の自己成長を実感させる経験などは、ステップ②に該当する代表的な施策です。

 

ステップ③「学ぶ」


本人が自ら変わりたいと希求する意欲が高まったところで、成長に欠かせない、または、強力に後押しするツール(知識、技術、思考法など)を体得する仕組みをデザインします。Off-JT、OJT、資格取得支援、スクーリング支援、E-Learning、自己啓発などは、ステップ③に該当する代表的な施策です。

 

ステップ④「実践する」


③での学習内容について、更に知見を深め、自分のものにしていくためには、人間が7割の学びを得るという本人の直接経験=職場実践が欠かせません。従って、学んだことを実践できるような成長機会と場を提供すること(=本人経験のデザイン) がとても重要です。成長を促すアサインメント、タフアサインメント(=計画的に修羅場を与えるイメージ)、計画的ローテーション、後継者育成プログラムなどは、ステップ④に該当する代表的な施策です。


以上のように、「気づく」→「やろうと思う」→「学ぶ」→「実践する」のサイクルを意識して施策設計することで、ただ何となく単発の研修にコストを思い付きで人材開発をするより、よほど効果的に人材開発がなされることが期待できます。

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ライター

長浜みぎわ

長浜みぎわ

ICONIC 組織人事コンサルティング部統括部長/取締役/賃金管理士。 横浜国立大学卒業後、日本及びフランスの中小企業を対象とする経営コンサルティング企業にて、新規事業の開拓支援を行う。2006年より青年海外協力隊としてウガンダにて民間職業訓練校における人材育成需要及び労働市場で求められる人材需要に関する調査を実施。2007年に渡越後、三井住友銀行ホーチミン支店にて法人営業を担当。2010年、ICONIC取締役に就任。

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