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「現地化を進めたいが幹部人材が十分に育っていない。どうしたらいいものか」
弊社では、このようなお悩みをお寄せ頂くことが多いです。
そこで今回からは、「トータル人材開発考」というテーマで、ローカル幹部人材を育てるために検討しなければならないことをまとめてみます。
思い付きベースの人材開発施策では、人材が育たない
「人材が育たない」という悩みに対して、私たちがまず初めに考えなければならないことは「どういう人材に育てたいのか」ということです。そもそも、ここが不明瞭な中で、意図的・計画的な人材開発の施策を打っていないのに、「人材が育たない」と漠然とコメントしているケースが非常に多いのが実態です。
単発の思い付きベースの人材開発施策を繰り返したところで、会社が求める幹部候補人材がどんどん育つはずがありません。効率的に、そして、着実に会社が求める幹部候補人材を輩出していくためには、意図的かつ計画的な人材開発施策を走らせる必要があります。
そのためのステップとして、まず求められるのは、リーダーであれば、課長であれば、部長であれば、それぞれどの程度の業務がこなせて、そのためにどのような能力が求められるのかを定義づけることです。これを人事用語では、「役割定義の明確化」と言います。
求める能力レベルに対する不足分を把握
求める人材像を定義づけたら、次に考えることは、求める能力レベルに対して、現職者がどの程度できている・できていないを評価します。この段階で求める能力レベルに達していない力こそが、その人材に対して会社として能力を伸ばすために働きかけるべき対象となります。
年度の人事考課の能力考課パートは、昇給や賞与の査定額を決めるためだけに使うのではなく、このように人材開発対象者の現在の能力レベルを把握し、開発課題を特定するために活用することができます。これを人事用語では、「開発課題の特定」と言います。
開発課題を特定してはじめて、「では、その能力をどのように本人に獲得させようか」と具体的な人材開発施策を考え始めます。
次回は、「人は何から学ぶのか」という視点から、効果的な人材開発施策を考える視点についてまとめてまいります。