こんにちは。
ICONICの組織人事コンサルティング部門の増田です。
組織を率いているトップの方とお話しすると、「もっと主体的に、提案してきてほしい」「もっと会社のことを自分事としてとらえてほしい」という声を耳にすることが非常に多いです。これはベトナム人社員に限ったことではなく日本でも同様です。
過去に私がお手伝いしたA社の事例をもとに、主体的に動くとはどういうことか、主体的な社員を輩出するために会社はどのような施策が打てるのかについて、考えていきたいと思います。
事例紹介:
「現場リーダーのモチベーションを上げて、主体的に仕事をさせたいんです」に応える
■背景
大手企業のグループ会社であるA社は、親会社の大幅な戦略変更に伴い、現場のオペレーションを大きく変える必要に迫られていました。そんな中、その大改革を中心として担う現場のリーダークラスからの離職が相次ぎ、在籍者もモチベーションが下がっている。これではグループ全体の戦略実行にも影響を及ぼしかねない…。そんな危機感から「モチベーションが上がる研修」を検討されていました。
数人のリーダーにインタビューを行ったところ、結局彼女たち(従業員の8割が女性でした)の多くは多忙を極め、上位組織から様々な理不尽と思える決定事項に嫌気がさしている、という現状が明らかになりました。
上記のようなことが起こっている場合、皆さんであればどんな打ち手を講じられるでしょうか。モチベーションを上げて、主体性を発揮させるためには、どんなことが必要なのでしょうか。
下記に、主体性を発揮するために必要な条件を掲載しますので、ご自身だったらどうするか、一度考えてみてください。A社にて実際に導入した事例は、後編にてご紹介します。
主体性を発揮するための必要条件
目的が明確に共有されていること
皆さんにも若かりし頃経験がないでしょうか。よかれと思ってやったことを、上司から「勝手にやるな」とたしなめられたことが…主体的であれ、でも勝手にやるな。この矛盾した要望はどうして起こるのでしょう?
その原因は、「目的の共有不足」にあります。「勝手にやるな」という言葉が出る場合は、往々にして目的が明確に共有されていないことが多いのではないでしょうか。
権限を付与されていること
せっかく「もっとこうしたらいいのにな」という改善案を思いついても、それを上司から「言われたことだけやっておけばいい」と言われてしまう環境では、なかなか改善案を口にできません。
十分な時間が確保されていること
当たり前のことではありますが、目的を共有し、権限を付与していても、与えられた受動的な業務で一日が終わってしまっては、主体性を発揮する余裕はありません。
いかがでしょうか? 実際にA社が導入した施策については、後編でご紹介します。
ぜひ併せてご覧ください。