2014-08-19

2014年のベトナム・給与・昇給率動向(第2回)

第2回目となる今回は、職位毎の給与水準についてまとめます。今年で5回目を迎える在ベトナム日系企業における給与・昇給率調査の結果から、最新のベトナムにおける給与や昇給率の動向についてお伝えしてまいります。

 

職位毎の給与水準について

職位毎の平均給与額の経年推移(中央値)

管理職
昨年対比の管理職における全体的な給与相場はUSD50-120程度上昇しました。顕著な傾向としては、北部における最高給与額の上昇です。昨年対 比約USD300の大幅な上昇が見られました。なお平均給与、最低給与の伸びは全体的には抑えられており、相場上昇は落ち着いてきたと言えます。業種別の 傾向としては、引き続き非製造業の給与が上昇しており、特にIT分野はボトムラインも高く高賃金市場の牽引役となっております。

ホワイトカラー非管理職
昨年のホワイトカラー層の平均給与は前年対比20%と大幅上昇があったことから反転し、今年は前年割れの約1%の減少となりました。昨年の大幅な相 場上昇からの揺り戻しとは言え、昨年対比割れするのは本調査でも初めての現象であり、今後の動向が注目されます。地域別の動向としては、昨年は、通常、北 部より低い傾向のある南部の給与が北部を上回る逆転現象が起きておりましたが、今年は、これが元に戻り、「北部>南部」という図式が再現しました。

ブルーカラー
今年顕著な特徴は、ブルーカラーの最高給与額の各社における平均値、中央値がホワイトカラーの最低給与額の平均値、中央値を共に超えた事です。平均 給与額でも昨年対比約24%の上昇率となり、ホワイトカラー層の給与上昇が落ち着いてきた中、ブルーカラー労働市場の高騰が引き続き予想されます。

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ライター

前田純

前田純

ICONIC 組織人事コンサルティング部。名古屋大学を卒業後、日本の会計事務所にて約4年間、中小企業の会計・税務といった「カネ」に関する業務を行う。その後、「モノ」を扱う製造業を経て、2015年よりベトナムへ進出。ICONICにてベトナムにおける人事労務に関する業務を行うことで、世の中の「ヒト・モノ・カネ」について国内外を通して経験。

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