2014-08-20

2014年のベトナム・給与・昇給率動向(第3回)

今回は、弊社が毎年末に実施している、今年で5回目を迎える在ベトナム日系企業における給与・昇給率調査の結果から、最新のベトナムにおける給与や昇給率の動向についてお伝えしてまいります。第3回目となる今回は、初任給水準についてまとめます。

 

初任給水準について

初任給額の経年推移(中央値)

 

大学新卒初任給

大学新卒初任給は、昨年対比1.4%の減少となり、過去5年の調査では初の減少となりました。ブルーカラーの給与上昇が続く中、新卒初任給が減少す る傾向は中国、韓国などでもこれまで顕著に見られてきた現象であり、ベトナムにおいても今後、より細かな職群・階層毎の給与動向の分析を基に人事計画を立 てていく必要性が生じていくでしょう。

 

ブルーカラー雇入時給与

昨年の本調査結果では、ベトナム国内景気の停滞感を背景に、今年からブルーカラー雇入時給与の上昇は抑えられると予測する企業が大部分を占めまし た。しかしながら予測に反し、昨年対比で今年の上昇率は逓増する結果となりました。景気の停滞感以上に、ブルーカラーの人手不足の深刻さが相場を牽引して いる状況と思われます。

この傾向は、地域の別を問わずベトナム全土で見られているだけでなく、先述の通り、中国等のベトナムより先に給与相場上昇を経験し ている周辺他国でも同様の問題がクローズアップされてきたことから、一時的なものではなく、新興国における製造業全般を取り巻く労働市場が直面している課 題であり、ベトナム労働市場においても今後大きなトレンドになっていく可能性があります。

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ライター

前田純

前田純

ICONIC 組織人事コンサルティング部。名古屋大学を卒業後、日本の会計事務所にて約4年間、中小企業の会計・税務といった「カネ」に関する業務を行う。その後、「モノ」を扱う製造業を経て、2015年よりベトナムへ進出。ICONICにてベトナムにおける人事労務に関する業務を行うことで、世の中の「ヒト・モノ・カネ」について国内外を通して経験。

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