2014-08-21

2014年のベトナム・給与・昇給率動向(最終回)

今回も引き続き、弊社が毎年末に実施しており、今年で5回目を迎える在ベトナム日系企業にお ける給与・昇給率調査の結果から、最新のベトナムにおける給与や昇給率の動向についてお伝えしてまいります。最終回となる今回は、今年の特集として調査し た人事評価制度についてまとめます。

 

人事評価制度について

昨今、在越日系企業の皆様の関心が高まっている「人件費の最適化」を考える上で避けて通れない人事評価制度の導入状況について今年は注目しました。 本調査集計前に弊社が推測していた結果と大きく異なる部分がいくつか見られ、むしろ興味深い示唆を与えてくれる内容となりました。

 

昇給決定要因

各昇給決定要因を①成果要因②能力要因③情意要因④外部要因⑤その他という大分類に切り分け、評価上の配点比率を分析しました。一般的には、昇給決 定要因は要職になるにつれ、成果重視になっていきますが、本調査結果では、その傾向は緩やかに現れてはいるものの、明らかな配点比率の差としては認識され ず、むしろ職位の高い管理職層であったとしても、成果要因がそれほど厳しく問われていないのが在越日系企業の大きな特徴と言えるでしょう。

 

人事制度導入状況

「ベトナム法人独自で人事制度を設計」、「本社の制度をベトナム向けに調整」するなどアクティブな回答をした企業が約半数、その他は「人事制度が無 い」、「限定的な導入」等の回答結果となりました。必要性は感じているものの、導入する際のインパクト、影響が大きいと思われる人事制度構築には中々踏み 切れていない企業が多いのではないかと察します。

 

導入済み人事制度

半数以上の企業が評価シートの導入をしており、賃金テーブルの設定、フィードバック面接の実施がこれに続く形となりました。製造業、非製造業に分け て見ると、製造業では評価シート導入、賃金テーブル設定が主要な取り組みとなる一方、非製造業ではフィードバック面談の実施が評価シート導入を上回り最も 導入率の高い取り組み項目となりました。

  • Social facebook
  • Social twitter

ライター

前田純

前田純

ICONIC 組織人事コンサルティング部。名古屋大学を卒業後、日本の会計事務所にて約4年間、中小企業の会計・税務といった「カネ」に関する業務を行う。その後、「モノ」を扱う製造業を経て、2015年よりベトナムへ進出。ICONICにてベトナムにおける人事労務に関する業務を行うことで、世の中の「ヒト・モノ・カネ」について国内外を通して経験。

このライターの記事一覧へ Arrow box

関連する記事

2014年のベトナム・給与・昇給率動向(最終回)に関連した記事一覧です。