2025-02-27

新規着任者必見!ベトナムでの業務依頼のコツ

「ベトナム人スタッフに業務を依頼したが、出てきたアウトプットがイメージと違う......。」
そんな経験はありませんか?

ベトナム拠点への着任後、ベトナム人スタッフと共に仕事をスムーズに進めるには、現地人スタッフへの業務依頼の仕方が肝になります。

そこで今回は、ビジネスにおけるベトナム人の行動特性を踏まえた業務依頼のコツを2つご紹介いたします。

この2つのコツを習得することで、ベトナム人スタッフの気持ちをより理解した上で、狙い通りのアウトプットが期待できる指示出しができるようになります。

ぜひ最後までお読みください。


ベトナム人の行動パターンの特徴と業務依頼のコツ


ビジネススクールINSEADのエリン・メイヤー教授によるカルチャー・マップ(上図参照)をご存じでしょうか?

カルチャー・マップとは、各国のビジネス上の行動パターンを8つの指標(①コミュニケーション、②評価、③説得、④リード、⑤決断、⑥信頼、⑦見解の相違、⑧スケジューリング)で比較したものです。
このカルチャー・マップの分布によると、日本人とベトナム人の行動パターンの特徴は、概して似ていますが、⑤決断と⑧スケジューリングで、大きく特徴が異なります。

*データ参照元:異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」を解説《ベトナム編》より

1. 決断時の行動特性の違い|合意主義 vs トップダウン

我々日本人がまず理解すべきは決断時における行動特性の違いです。
日越間の行動パターンの違いと、それを踏まえた業務依頼のコツについて解説します。

「決断時」における行動パターンの違い

ベトナム人の部下に業務依頼をした際、細かい内容について特段の追加質問も受けずに、「わかりました」との”快諾”を受けたことはありませんか?

早すぎる「わかりました」の返答は、日本人以上に上下関係を重視するがゆえであることが少なくありません。

先述のカルチャーマップにおける「⑤決断」では、日本人が完全に合意主義に振れているのに対し、ベトナム人は日本人よりも「トップダウン」寄りの行動特徴が強くなっています。

それゆえ、外国人上司とベトナム人部下という関係性であればなおさら、業務依頼内容をしっかりと理解できていなかったとしても、部下は上司に対して発言を躊躇してしまいやすい面があるのです。

この行動特性を踏まえた業務依頼のコツ

ベトナム人スタッフは自ら積極的に発言しないだけで、上司から促されれば、質問や意見が出てくることが割とあります。

そのため、着任当初は特に意識的に「この件について、何か質問や意見はありますか?」と語りかけ、彼らから質問や意見などを引き出しましょう。
それにより依頼内容のすり合わせがしっかりでき、期待通りのアウトプットを得られやすくなります。

また、業務依頼前に、その業務の背景や目的を併せて説明したり、業務依頼時に、図解や数値データ、過去事例等を用いてアウトプットイメージを具体的に伝えるとなお、期待通りのアウトプットを得られる可能性が高まります。

2. スケジューリングの特徴の違い|厳格 vs 柔軟な時間管理

次に特筆すべきは日越間のスケジュール感覚の違いです。詳しくみていきましょう。

「スケジューリング」に対する日越間の行動パターンの違い

ベトナム人の部下に業務依頼をした際に以下のようなことで困った経験はありませんか?
「ベトナム人部下の納期意識が弱く多少の遅れが常態化してしまった......。」
「事前のレビューなしに、納期ギリギリで提出されたアウトプットが、当初期待したものから大きくズレていて、更なる修正に追われた......。」


このような納期意識の差も、スケジューリングにまつわる行動パターンの違いから来ていることがあります。

同カルチャーマップの「スケジューリング」の観点では、日越間で大きく行動特性が異なります。

日本人が「直線的(厳格)な時間管理」に振れているのに対し、ベトナム人は「柔軟な時間管理」に振れています。

この行動特性を踏まえた業務依頼のコツ

この特性の違いを踏まえると、日本人がベトナム人スタッフに業務依頼をする際に不可欠なのは、アウトプットの納期を明確にすり合わせること

またこの際、最終納期だけでなく、中間レビューの期日も併せて、具体的に設けておくのがポイントです。中間レビュー地点をオフィシャルに設けておくことで、以下のような効果が期待できます。

・業務進捗のペースメイクができる
・アウトプットイメージを作業過程ですり合わせことで、大きな手戻りを防ぐ
・レビュー回数が増えすぎることを避け、上司ー部下間の信頼関係を保つ。
(あまりに頻繁に進捗チェックされると、自分の仕事を信頼されていないと感じる方が多いため)



まとめ


今回はベトナム人への業務依頼のコツを2つ解説しましたがいかがでしたか?

業務依頼には上述してきたテクニックも重要ですが、それと同じくらい、ベトナム人スタッフと日頃から自分の言葉でコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことが大事です。
相手の興味を持ち、積極的に話しかけると、距離がぐっと縮められ、業務上のコミュニケーションもスムーズに回るようになっていきます。

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上智大学卒業後、株式会社ニトリで販売員、人材教育部、組織開発室に従事。社内語学プログラムやグローバル人材育成プログラムを0から構築。2022年に三井物産人材開発にてグループ会社向け研修やアフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブをメインで担当。2024年ICONIC(組織人事コンサルティング部門)入社。人事制度から人材育成など、様々な組織開発案件に携わる。

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