2014-06-26

2014年のベトナム・給与・昇給率動向(第1回)

今回から4回に分けて、弊社が毎年末に実施しており、今年で5回目を迎える在ベトナム日系企業における給与・昇給率調査の結果から、最新のベトナム における給与や昇給率の動向についてお伝えしてまいります。初回となる今回は、調査概要に加えて、テト迫る時節柄、管理者にとって最大の懸案事項とも言え る昇給率とボーナス支給額についてまとめます。

 

調査概要

・調査期間
2013年11月18日~11月30日

・有効回答
企業数: 160社、拠点数*:209拠点(北部:72拠点、南部:137拠点)
(※拠点数とは、同一企業がベトナム国内に複数拠点を構えている際の回答対象拠点総数のこと)

・回答企業内訳
業種・製造業
1社:機械
2社:輸送用機器
19社:鉄鋼・金属・非鉄金属・金属加工
15社:電器機器・電子部品・精密機器
10社:科学・薬品・石油・プラスティック・ゴム
6社:繊維・衣服
2社:木材・紙・バルブ
6社:食品
5社:その他製造
合計67社

業種・非製造業
22社:商社・輸入
25社:IT・ソフトウェア・情報通信
4社:卸売・小売
9社:物流
1社:金融・證券・保険
14社:建設・不動産
3社:観光・ホテル・旅行
0社:飲食
1社:教育
4社:コンサルティング(会計・税務・法務)
9社:その他非製造
合計93社

 

昇給率について

【昇給率の経年推移(中央値)】

全体の傾向としては、2011年をピークに昇給率は減少傾向が続いていると言えますが、減少率は緩やかになってきており、2014年予測値ではほぼ 横ばいの昇給率となった企業も多々見られます。昨年時点での2013年予測値と2013年実績値を比較すると、最高昇給率ベースで実績値が約3%予測値を 上回る着地となりました。このような傾向を受けてか、2014年最高昇給率の各企業の予測値にも底打ち感が見られており、昨年から横這いの20%との予測 となっております。

一方、2013年実績ベースの平均昇給率、最低昇給率はそれぞれこの5年間で過去最低の12%、6%となり、2014年の予測値ではさ らに1-2%下げ10%、5%と予測されています。このことから、景気の減退というマクロ要因にも関わらず、優秀な人材層の昇給率は下げ止まり、20%以上の昇給が今後も続く一方で、平均以下の評価となる層の昇給率は来期も継続的に下がっていくものと予測されています。

 

ボーナス支給額について

ボーナス支給額の経年推移(中央値)

顕著な傾向としては、管理職ボーナスが昨年に続き減少し、来年は更に10%の減少が予測されている点です。管理職は離職率も今年4%下がり、定着率 が増していると見られます。ボーナスを上げる事で人材の囲い込みを図ってきた企業において、管理職の売り手市場から買い手市場へと温度変化が鮮明化してきていると言えるでしょう。

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ライター

前田純

前田純

ICONIC 組織人事コンサルティング部。名古屋大学を卒業後、日本の会計事務所にて約4年間、中小企業の会計・税務といった「カネ」に関する業務を行う。その後、「モノ」を扱う製造業を経て、2015年よりベトナムへ進出。ICONICにてベトナムにおける人事労務に関する業務を行うことで、世の中の「ヒト・モノ・カネ」について国内外を通して経験。

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