今回は昨年末に弊社が実施した2016年度版の給与昇給率調査結果より、役職ごとの給与水準の動向を経年推移を追いながら概観します。
- 【管理職】課長レベルの最低ラインUSD900まで落ちるも、部長以上ならUSD1500以上、役員ならUSD2400以上
管理職全体の平均的な給与相場はUSD1356と2014年実績のUSD1283対比USD73(5.7%)上昇しました。管理職給与の最低ラインは課長レベルが昨年のUSD1000からUSD900まで下降した以外は、部長以上でUSD1400からUSD1500以上へ、今回初めて項目分けした役員給与は月額USD2400以上で提示されていることがわかりました。平均的な給与相場としては、課長レベルでUSD1193、部長以上でUSD1670、役員でUSD2500。
- 【ホワイトカラー非管理職】 2014年実績昨対+2.6%の緩やかな上昇が継続、上限ラインはUSD900程度と変わらず
昨年の上昇基調に続き、今年も+2.6%と緩やかに給与相場の上昇が継続しておりますが、29歳以上の最高給与の中央値はUSD864と、昨年実績に引き続き、ホワイトカラー非管理職の上限ラインはUSD900程度にある状況が継続しています。管理職の最低ラインがUSD900まで落ちてきているとはいえ、以前、USD900付近が管理職と非管理職を分かつ境目の給与価格帯であるといえます。
- 【ブルーカラー】 昨年までの急激な上昇傾向から一転、昨対-2.4%とほぼ横ばいに、班長以上はUSD250以上は変わらず
ブルーカラーの相場上昇は、一昨年の23.8%、昨年の20.2%と昨今高い相場上昇率を続けてきましたが、今年は一転、全体では-2.4%と昨年からほぼ横ばいに推移しました。特に、班長以上の給与相場で-USD29(-9.1%)の下げ幅を記録しており、製造企業各社でブルーカラーの給与高騰、特にUSD250以上の上級の職層で給与高騰を抑えるためのてこ入れをしている動きが全国的にあるものと思われます。