昨年末に弊社が実施した2016年度版の給与昇給率調査結果より、今年の給与更改にあたっての昇給率の動向を経年推移を追いながら概観します。
ベトナムにおける昇給率の経年推移(中央値)
2016年の昇給率は全国的に最高12%-平均9%-最低5%が典型的なレンジと予想
各社の2016年昇給率予測値は、最高・平均・最低の昇給率それぞれの中央値ベースで典型的な昇給幅のレンジをとると、全国的には最高12%-平均9%-最低5%と予測されています。
2011年をピークとする昇給率の減少傾向継続するも減少速度は鈍化
2011年をピークに、全国的な昇給率は2014年まで減少傾向が際立っておりましたが、2014年以降は減少速度は緩やかになり、時に横ばい傾向を示す指標も見受けられます。ただし、2016年に向けて全体としては引き続き緩やかに漸減していくものと予想されます。
社内のハイパフォーマーへの昇給率は予測ベースから上ぶれして着地する傾向も
最高の昇給率は昨年末時点で2015年に向け12%と予測したものが、実績ベースでは全体では15%と上振れした着地実績となりました。2016年予測も全体では12%となっておりますが、実際の昇給交渉後に上ぶれし、実績ベースでは横ばいとなる可能性も十分に想定できます。
2015年版!昇給率が高い業界ランキングと昇給で差の出やすい業界ランキング
2015年実績ベースでの昇給率水準の高い業界ランキングでは、製造業で化学・薬品・石油・プラスティック・ゴムが、非製造業でIT・ソフトウェア・情報通信・CADが昨年に引き続き1位となり、ブルーカラーでは金属・非鉄金属・金型・金属加工・機械加工が1位にランクしました。
最高と最低の昇給率差が高い=実力差が出やすい業界としては、ホワイトカラーについては製造業では家具・木材・紙・パルプ、非製造業ではIT・ソフトウェア・情報通信・CAD、ブルーカラーでは電気・電子機器・電子部品がそれぞれ1位となりました。