2017-12-02

ベトナムにおける就業規則の法令面からの必要性

こんにちは。
ICONIC 組織人事コンサルティング部門の前田です。

ベトナムの就業規則については、ベトナムへ進出する際に作成されることが多いですが、進出時は本業に関する業務に集中しており、労務までなかなか手が回っていないことも少なくありません。

今回は、ベトナムにおける就業規則作成の必要性について、現時点における法令面からご紹介します。

 

① 10名以上の被雇用者を使用する場合は、就業規則を作成し、登録しなければならない。

10名以上の被雇用者を使用する場合、ベトナム労働法上、雇用者は就業規則を作成し、労働局へ登録をする必要があり、登録書類が受理された15日後に発効します。

また、10名未満の場合は、実務上登録できないので、10名以上になってから速やかに登録手続きを行うことになります。もし就業規則の内容が変更になった場合には、再び登録手続きを行う必要があります。

 

② 10名未満の被雇用者を使用している場合であっても、発行された就業規則は効力を持つ。

通達第47号(Circular No. 47/2015/TT-BLDTBXH)の第10条4項では、「10名未満の被雇用者を使用している場合でも、就業規則を発行すれば、その書面において効力が特定される」と規定されています。

ただし、規定内容の妥当性を担保するためにも、労働組合への意見聴取や社内での公布といった手続きは済ませておく必要はあるかと考えられます。

 

③ 就業規則で規定していない違反行為を行った被雇用者に対して、労働規律処分を適用できない。

ベトナム労働法の第128条では、事前に就業規則にて規定していない違反行為を行った被雇用者に対して、労働規律処分を適用できない旨が規定されています。

一方、上述の通達第47号の第10条4項においては、「就業規則が発行されていない場合、労働規律処分について、労働契約上で合意しなければならない」とありますが、それをもって就業規則作成を不要と解釈するには、実務上、リスクを伴う可能性がありますので、作成しておく方が良いかと考えられます。

 

弊社では、就業規則の新規作成及び見直し支援サービスを提供しております。また、部分的に確認されたい企業様向けには、労務顧問サービスにて労務相談をお受けすることも可能です。

弊社サービスにご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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ライター

前田純

前田純

ICONIC 組織人事コンサルティング部。名古屋大学を卒業後、日本の会計事務所にて約4年間、中小企業の会計・税務といった「カネ」に関する業務を行う。その後、「モノ」を扱う製造業を経て、2015年よりベトナムへ進出。ICONICにてベトナムにおける人事労務に関する業務を行うことで、世の中の「ヒト・モノ・カネ」について国内外を通して経験。

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