2015-05-30

ベトナムでの試用期間と労働契約

今回は「試用期間と労働契約」についてお伝えします。
試用期間を終えた後、有期労働契約が締結できるということを知らずに、無期労働契約を締結している企業様を多く見受けます。ご存知のとおり、ベトナムでは解雇を簡単に行うことができません。労使がお互いに気持ちよく働くためにも、有期労働契約の期間をうまく活用することをおすすめします。

ベトナム労働法では、試用期間から無期労働契約に至るまで、以下のようになります。
※季節的業務、特定業務は除く。

 

試用期間について

試用期間は、一つの業務に対して一回の試用期間を設けることができます。
期間については以下のとおりです。

①短期大学以上の専門技術を要する職位の業務の場合は、60日を超えない。
②職業訓練学校、専門学校、技術を持つワーカー、経験を持つ事務補助職の専門技術の程度を要する職位の業務の場合は、30日を超えない。
③その他の業務の場合は6営業日を超えない。

【試用期間中の給与】
試用期間中の給与は、労使の合意に基づきますが、本採用時の給与の85%以上とされています。
【試用契約】
期間が3ヶ月未満の一時的な業務の場合、口頭で労働契約を締結することができるため、試用期間の契約は口頭でも成立します。ただし政府は書面での契約を推奨しています。

 

労働契約について

試用期間が終了した後、書面での労働契約を締結します。

【労働契約書の記載事項】
()内は、法改正により追加となった項目です。
・雇用主の氏名、住所
・被雇用者の氏名、生年月日、(性別)、住所、身分証明書番号
・業務内容と就業場所
・労働契約の期間
・給与、給与支払いの形式と期日、手当等
・(昇給制度)
・勤務時間、(休憩時間)
・被雇用者のための労働保護設備の供給
・社会保険と医療保険
・職業訓練、職業技能水準の向上

有期労働契約期間が満了した後、再度有期労働契約を締結したい場合は、契約満了後30日以内に、労働契約を締結しなければなりません。期限を過ぎた場合は、自動的に無期労働契約となりますので、注意が必要です。

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ライター

長浜みぎわ

長浜みぎわ

ICONIC 組織人事コンサルティング部統括部長/取締役/賃金管理士。 横浜国立大学卒業後、日本及びフランスの中小企業を対象とする経営コンサルティング企業にて、新規事業の開拓支援を行う。2006年より青年海外協力隊としてウガンダにて民間職業訓練校における人材育成需要及び労働市場で求められる人材需要に関する調査を実施。2007年に渡越後、三井住友銀行ホーチミン支店にて法人営業を担当。2010年、ICONIC取締役に就任。

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