2020-02-04

人材開発と組織開発の差 大きく異なる人事の役割

人材開発そのものは現代でも有効なアプローチですが、組織開発とは着目点が異なっており、両者を組み合わせることが必要であると考えられています。今回は、組織開発の目的について、ご説明します。

まず、従来の手法と組織開発の違いはどこにあるのでしょう? 組織開発とは、個人間の関係性にアプローチすることで組織を活性化し、個人の能力を引き出そうとすることを前回ご説明しました。そのため、組織開発では、人事に求められる役割が従来の業務と大きく異なります。

人材開発では、役割に応じたスキル要件を満たすために、階層別研修などの場に社員を参加させます。いわば、人事側の領域に社員に来てもらう形式が中心でした。これに対して組織開発では、人事が実際の業務の現場に飛び込みます。組織内の会議体など、事業側のリアルなコミュニケーションの場で人事が存在感を発揮し、変化をもたらすことが求められます。

当事者間のコミュニケーションに対して適切な働きかけを行い、当事者に自らの気づきを与えます。組織開発の目的を一言で表すならば、「組織が環境に適合しながら変革し、健全に、効果的に機能するようにすること」であると言えます。では、どのように組織開発を進めればよいのでしょうか? 一番恐れるべきことは、環境変化が目まぐるしい中にあって、「何もしないこと」です。気づいた時には修復困難。そんなことにならないように「とにかく始める」をお勧めします。次回のコラムでは、組織開発アプローチについてご説明いたします。

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ライター

長浜みぎわ

長浜みぎわ

ICONIC 組織人事コンサルティング部統括部長/取締役/賃金管理士。 横浜国立大学卒業後、日本及びフランスの中小企業を対象とする経営コンサルティング企業にて、新規事業の開拓支援を行う。2006年より青年海外協力隊としてウガンダにて民間職業訓練校における人材育成需要及び労働市場で求められる人材需要に関する調査を実施。2007年に渡越後、三井住友銀行ホーチミン支店にて法人営業を担当。2010年、ICONIC取締役に就任。

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