2015-06-13

人事評価の構成要素を明確にしましょう!

今回からは、再び人事制度構築のお話に戻し、重要ポイントを解説して参ります。

さて、社員の人事評価とひとくちに言っても、会社によって「どんな社員を評価したいのか」という観点も異なりますし、同じ観点で評価するにしても、それぞれの観点の重要度(「重み付け」といったり、「ウェイト」といったりします)は会社によって様々異なります。

自社の経営方針にあった人事評価をするためにも、インターネット等に出回っている雛形をそのまま流用して評価を実施するのではなく、今一度、「自社の社員の何を評価したいのか」を再検討し、これをもとに評価の構成要素を構築してみましょう。

以下に、よくある一般的な評価の構成要素(1~3)と、最近の新しい傾向として採用する企業も増えてきている構成要素(4~5)を5つほど挙げて解説します。

業績評価
全社の経営目標達成のために、期初に各個人に落とし込まれた業績目標を設定し、その達成度合いを期末に評価します。ただし、個人業績で管理されない場合は、グループ単位や部門単位などの業績目標の達成度合いを評価するケースもあります。実績に基づく評価となるため、「過去」の評価といえます。

能力・行動評価
等級定義における職位要件の達成度やその職種における役割を上手にこなすためのコンピテンシーを評価対象とし、「近い将来」の業績貢献が見込まれる能力・行動が取れているかどうかを評価します。

情意評価
自社社員として求められる執務態度基準を設定し、その達成度合いを継続的に評価することで、長期的かつ継続的な業績貢献が見込まれるような正しい執務態度で業務にあたれているかどうかを評価します。「遠い将来」の業績貢献のための評価といえます。

行動指針評価
自社のミッションやビジョンをベースとして、自社社員に求められる行動指針の実践度合いを継続的に評価することで、自社に相応しい行動が取れる社員の集団となっていくための評価項目です。

特別加点評価
自身の職種・職位に求められる役割を超えて、会社のために貢献しようとする積極的な取り組みやその成果を加点評価の対象とします。全社員に特別加点評価を得る機会を設定し、実際には役割を越えた貢献が認められた社員のみに加点して評価します。

これらのよくある評価の構成要素の中から、自社として評価したい要素を特定し、全構成要素の合計が100%となるように(特別加点評価を入れる場合は特別加点評価以外の要素で100%とし、特別加点は100%に上乗せするイメージで配点する)各構成要素ごと、職層ごとにその重要度に応じたスコア配分を以下に基づき実施してみましょう。

<例>
役職:マネージャー
業績:60点
能力・行動:20点
情意:5点
行動指針:10%
特別加点:5点
合計:100点

<テンプレート>
役職:
業績:
能力・行動:
情意:
行動指針:
特別加点:
合計:

この評価の構成要素のスコア配分が出来上がれば、次のステップとして、それぞれの構成要素ごとに具体的な評価項目に落とし込み、各評価項目にスコア配分の範囲内で更に細かな重み付けを付与していくことができます。次回は、具体的な評価項目への落とし込みの進め方についてまとめて参ります。

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ライター

長浜みぎわ

長浜みぎわ

ICONIC 組織人事コンサルティング部統括部長/取締役/賃金管理士。 横浜国立大学卒業後、日本及びフランスの中小企業を対象とする経営コンサルティング企業にて、新規事業の開拓支援を行う。2006年より青年海外協力隊としてウガンダにて民間職業訓練校における人材育成需要及び労働市場で求められる人材需要に関する調査を実施。2007年に渡越後、三井住友銀行ホーチミン支店にて法人営業を担当。2010年、ICONIC取締役に就任。

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