今回は、能力・行動評価項目に焦点をあて、具体的な評価項目の立て方を考えてみます。
能力・行動評価項目は、職務記述書や等級定義書、各職種ごとのスキル要件定義書などから落とし込むと具体的な項目として抽出しやすいです。職務記述書や等級定義書等を整備するのは、骨の折れる作業であり、一見、遠回りに見えますが、納得感の高い能力・行動評価項目を抽出する上で、最も近道であるといえます。
また、能力・行動評価項目は、その職種に専門的に求められる職能項目と、その職位に共通して求められる基礎的ビジネス能力項目やマネジメント能力項目の合成により構成するとバランスの良い評価項目形成ができます。
前者の専門的職能項目については、職務記述書に基づき抽出します。まずは、職務記述書を見直してみて、その職種に求められる職務内容の中から、キーとなる職務項目を洗い出します。その上で、そのキーとなる職務項目のをうまくこなせる社員といまいちうまくこなせない社員を思い浮かべて、二者の違いが何なのかをあぶりだすように思考します。そこで抽出された違いを分かつポイントに焦点をあて評価項目としてたてます。
一方で、職位共通項目については、等級定義書上の各職位に最低限必要とされている要件から引用し、評価項目としてたてます。なお、等級定義書の各職位要件も、元をたどれば、同職位のポジションの職務記述書を横に並べて、職種は違えど全ての職務記述書で共通的に求められている能力を抽出したものが元となります。
このように、専門的職能項目と職位共通項目をバランスよく抽出し組み合わせることにより、能力・行動評価項目を構成するとよいでしょう。
次回は、情意項目と、行動指針項目の具体的な設定方法について解説します。