前回に続き、弊社が毎年末に実施しており、今年で6回目を迎える在ベトナム日系企業における給与・昇給率調査の結果から、最新のベトナムにおける給与や昇給率の動向についてお伝えしてまいります。最終回となる今回は、今年の特集として調査した手当て制度とインセンティブ給の導入状況についてまとめます。なお、本件調査には、在ベトナム日系企業全178社、217拠点よりご回答協力を頂いております。
基本給を容易に下げられないベトナムにおいて、昨今、「基本給以外の報酬構成要素を他社がどう設計しているか」というお問い合わせが増えています。 これらの関心事を受け、今年は手当とインセンティブ給の導入状況についての特集調査を実施しました。
手当制度の導入状況
【導入済み手当て(%)】
約半数以上の企業が導入している手当としては、製造業だと、通勤手当(又は通勤車輌の運行)・役職手当・昼食手当(又は食事支給)・出張時の日当・皆勤手当・住宅手当(又は社宅・寮の提供)・資格技能手当の7手当、非製造業だと、通勤手当・出張時の日当の2手当となりました。
約半数以上の企業が導入している手当であれば、当然ながら、社員側も支給を受けられるものと常識的に期待する手当となりますので、まだ未導入の手当がある場合は要検討です。各種手当の支給額相場については、本編に詳述しております。
インセンティブ給の導入状況
【全体】
【製造業】
【非製造業】
業績や成果に連動して変動支給するインセンティブ給ですが、ベトナムでは外資系企業を中心に、特にフロント職種やベトナム内需向けビジネスを展開されている企業などでの整備が進んでおり、こうした外部環境を背景に、昨今、弊社にもお問い合わせが多いトピックスです。
製造業では報奨金、非製造業ではKPIボーナスなどの形態で支給がなされることが多いですが、「支給している」と「支給開始を検討中」と回答した企業を合計すると、ベトナムにおける日系企業の40%前後の企業がインセンティブ給支給に前向きな姿勢であることがわかりました。インセンティブ給の支給頻度、割合、対象KPIは、本編に詳述しております。