2019-04-19

人事制度をローカライズする 【第1回】等級・評価制度のローカライズ

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「親会社の人事制度をそのまま翻訳して導入したがしっくりこない。どうしたらいいものか。」
このようなお悩みをお寄せ頂くことが多いです。

今回からは、「人事制度をローカライズする」というテーマで、数回に分けて人事制度を現地事情にフィットさせるためのステップについてまとめてまいります。
 

まず、企業における基幹の人事制度というと、資格等級制度、評価制度、報酬制度の3制度を指すのが一般的です。これらの人事の基幹3制度のうち、「基本的にはグローバライズすべき制度」「基本的にはローカライズすべき制度」に分かれます。資格等級制度と評価制度は前者に、報酬制度は後者に分類されます。
 
社内の階層構造や各職層に求める役割期待(資格等級制度で明示)、各職層や職種ごとの評価の視点や基準(評価制度で明示)といった内容は、拠点が異なったとしても、同じ業界で同じ業務内容に従事する限りにおいて概して汎用的です。ただし、定性的かつ抽象的な表現が多い傾向にある日本本社の資料をそのまま翻訳しただけでは、海外拠点のナショナルスタッフにとっては腹落感がないということはしばしば起きるため、表現を定量化・具体化しながら意訳することが、これら2制度のローカライズにつながります。
 
加えて、資格等級制度については、社内の階層数の妥当性の検証(現地拠点にとって不必要に階層数が多すぎる場合は適正数へ改訂する必要がある場合もある)や昇格スピード(日本より平均年齢が全体的に若い組織の場合、昇格スピードを妥当なペースにあげる必要がある場合もある)も、拠点の実情に合わせて調整すべきポイントとなります。

一方で、報酬制度は、最も各国労働関連法規や雇用慣習、労働市場相場等による制限を受けやすいために、自社としてこうしたいというロジックだけで設計できる制度ではありません。従って、各国事を熟慮して、根本的なローカライズが求められます。次回は、報酬制度を根本的にローカライズするための視点をまとめてまいります。

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