ベトナム国民は平均年齢が若く、一見社会保険の問題とは無縁のように思えます。
しかし、医療水準の向上などにより、ベトナムでは高齢化が急速に進む一方で、社会保険加入者数は全労働人口の2割程度にすぎません。また、ILOは2034年に保険金の支払いができなくなるとの予測を2013年に発表しています。その中で、「年金の一時金受け取りを選択制にできるのか」という注目のニュースがありました。
国会は6月22日、2016年1月1日発効の改正社会保険法(社会保険法2014年版)第60条が規定する年金制度において、年金の一時金受け取りを選択制とする案の決議を81.8%の賛成多数で可決した。改正社会保険法に合わせて、2016年1月1日より施行される。
これにより、在職中に社会保険料を積み立てた労働者で、納付期間が20年未満且つ退職後も1年以上にわたり社会保険料を納付しなかった場合、自ら希望すれば定年を待たずに一時金を受け取ることができる。年金の一時金は、納付期間に基づいて算出される。
現行法では、定年前に退職した場合でも社会保険給付の一時金を受け取ることができるが、当初の改正制度では定年年齢(男性60歳、女性55歳)まで受け取ることができなくなると定められていたことから、労働者の反対意見が多く挙がっていた。―以下略
(引用元:2015/06/23 VIETJO ベトナムニュース
http://www.viet-jo.com/news/law/150623042136.html )
保険金の財源確保の目的も含めて、2016年1月1日より改正社会保険法が発行される予定ですが、今年3月、特に定年年齢まで社会保険給付の一時金を受け取れなくなることへの反対意見が鬱積した結果ストライキが発生しておりました。この動きを受けてその一部の内容は今回の決議で変更となる見込みです。
ベトナムでは社会保障における財政健全化に向けてあらゆる施策が動いている真っただ中ですので、今後も随時特集して参ります。